【メリットとデメリット解説】家系図は自作すべき?プロに任せるべき?

家系図

はじめに

現代では,時代劇や歴史物のドラマ・映画が流行ったこともあり,自分のルーツや家族の歴史に関心を持つ人が増えています。 そこで役に立つのが,家系図です。

家系図を作成し,自身の親族関係を整理していくことで親→祖父母→・・・と,ご先祖様を遡っていくことでルーツを追うことができる,という訳です。

このように,「家系図を作る」において,やることは「自身の先祖をひたすら遡っていくだけ」と,やることは簡単なのですが,実際にこれを行おうと思うと非常に難しいのです。 みなさんは曾祖父や曾祖母のフルネームを言えますでしょうか? また,ご両親・祖父母の兄弟姉妹の人数とそのお子様の人数や名前がスラスラ出てきますでしょうか?

 

実は,私たちはかなり身近であるはずの親戚でさえ,思っている以上に正確な情報をもっていないのです。 存命であれば本人に確認すれば正確な情報を得ることができますが,亡くなってしまっている場合,役所に適切な手順で書類の発行を申請しなければ情報が手に入りません。

そこで選択肢に挙がるのが,戸籍などを本人の代わりに取得できる弁護士・司法書士・行政書士などの士業(プロ)に家系図を作成してもらうという選択肢でしょう。 しかし,費用や時間,得られる情報の質など,プロに依頼することにはメリットもデメリットも存在します。

そこで,この記事では,家系図をプロに作ってもらう際のメリットとデメリットを詳しく解説し,自分にとって最適な方法を見つけるためのガイドを提供します。 

 

1. 家系図作成の目的・理由は?

プロに依頼するかしないかの判断には,家系図作成の目的・理由が何なのかが大きく影響します

「個人的に自身の先祖やルーツに興味がある」が理由なら,作成を急いでいるわけではないので,ご自身でゆっくり時間をかけて作成するのがいいでしょう。

対して,「相続で誰が相続人なのか知りたい」とか,「知人の結婚式のお祝いに両家の家系図を作成したい」というような理由の場合,家系図を作成するための時間が限られていますので,プロにお願いする方がいいでしょう。 また,後者の場合は家系図に間違いがあると取り返しのつかない事態に発展する可能性があるので,ますますプロに依頼すべきです。

 

以下は,代表的な家系図作成の目的・理由です。 一度ここで,自身が家系図を作りたいと考えている理由を再確認しておきましょう。

家族の歴史を保存子孫に家族の歴史を伝えるための資料とするため
遺産相続の確認親族関係の証明や相続に必要な家族関係を明確にするため
自己発見の旅自分のルーツや祖先の歴史に興味を持ち,より深く知るため
還暦や結婚などにおけるお祝い品自身の先祖や子孫,両家の親族を再確認するため
家系図作成の目的・理由

 

 

2. プロに依頼するメリット

まず,家系図をプロに依頼する最大のメリットは,専門的な知識と技術を持った専門家が作業を担当することで正確な情報で家系図が完成することです。 それ以外にもたくさんのメリットがありますので,以下にプロに依頼するメリットを挙げます。

 

2.1. 専門知識の活用

プロの家系図作成者は,家系図を作るための豊富な知識とリソースを持っています。 古い戸籍記録,埋葬記録,地域の歴史資料,図書館やアーカイブの利用,さらにはDNA解析を使用した調査など多種多様な手段で情報を収集することができます

たとえば,一昔前の戸籍は読むのに少しコツが必要ですが,それらを正確に読み解き,より詳細で正確な家系図を提供してもらえます。

 

2.2. 時間の節約

家系図作成には,多くの時間と労力がかかります。 特に,何世代にもわたる家系を追跡する場合,その作業はみなさんが思っている以上に膨大です。 プロに依頼することで,自分で調べる時間を大幅に節約することができます。 仕事や日常生活に追われる中で,自分の時間を節約できるのは大きなメリットです。

ちなみに家系図作成のプロに依頼した場合,製作期間は3~6ヶ月の時間がかかることが多いです。

 

2.3. 信頼性の高い結果

プロの家系図作成者は,正確で信頼性の高い家系図を提供するためのスキルを持っています。 情報の正確性を検証し,誤った情報や仮説に基づかない信頼できる家系図をプロは提供してくれます。

相続やお祝い品として利用するなど,家系図内容にミスが許されない場合には,より高い精度が期待できるプロへの依頼がよいと考えます。

 

2.4. 細部まで調査可能

プロは,自分で行う場合では見逃しがちな細部まで調査することができます。

例えば,遠い親戚や結婚に伴う名前の変遷,海外移住した親族の情報など,一般的には見つけにくい情報を探し出すことも可能です。 こうした詳細な調査により,家族の歴史に対するより深い理解が得られるでしょう。

 

2.5. 見やすい家系図の提供

家系図作成は情報を手に入れたら終わりではありません。 手に入れたご先祖などの情報を誰が見ても見やすく,視覚的にわかりやすく,整理した家系図(ファミリーツリー)の形にしなければいけません。 

プロに依頼した場合は,多世代にわたる複雑な家系図も視覚的に整理されたデザインに整理してくれます。 特にお祝い品などで家系図を作成する場合はおしゃれなデザインでの作成を依頼するといいでしょう。

 

 

3. プロに依頼するデメリット

一方で,プロに依頼することにはデメリットもあります。以下に,その主なポイントを紹介します。

3.1. 費用が高額

プロに家系図作成を依頼する最大のデメリットは,費用が高額になることです。 調査範囲や家族の歴史の複雑さによって料金は異なりますが,費用は数万円~数十万円ほどかかります

特に,何世代にもわたる詳細な家系図を希望する場合,そのコストはさらに増加する可能性があります。

 

3.2. 依存しすぎるリスク

プロに依頼することで,自分で調べる楽しさや発見の喜びを失うリスクがあります。 家系図を作成するプロセスそのものが,家族の歴史に対する理解を深める良い機会となることもあります。 プロに全て任せることで,こうした経験をする機会を失うことが考えられます。

「家系図を作成する」というプロセスそのものを楽しみたい場合は,すべてをプロに任せるのではなく,どうしてもわからない部分のみプロに調査を依頼したりするなどが選択肢になります。

 

3.3. プロに任せたからといって,全ての情報が手に入るわけではない

プロに依頼しても,必ずしも自分が期待する結果が得られるとは限りません。 家系の歴史が複雑すぎたり,あまりに古いご先祖様の場合に古い記録が存在していなかったりで,調査が思うように進まないことがあります。

記録がない場合などは,どうしても情報を手に入れることができないケースもあります。 そのため,プロに依頼する前に,自身のケースだと,どの程度の情報が得られる可能性があるのかを確認しておくことが重要です。

 

3.4. プライバシーの問題

家系図の作成には,個人情報や親族に関する詳細な情報が含まれることがあります。 これを第三者に依頼する際には,プライバシーの保護について慎重に検討する必要があります。 プロに依頼する際は,個人情報がどのように扱われるか,またそれが適切に保護されているかを確認することが大切です。

なので家系図作成を依頼する場合は,守秘義務が課されている弁護士・司法書士・行政書士などの士業に依頼するのが安心です

 

 

4. 自分で家系図を作る方法とプロとの比較

家系図は自分で作成することも可能です。 インターネットを利用すれば,無料で利用できる家系図作成ツールや,情報サイトも多く存在します。 自分で家系図を作成する場合のメリットとデメリットをプロとの比較で見てみましょう。

4.1. 自分で作成するメリット

・費用がかからない

まず,自分で調査すれば,コストをかなり抑えられます。 無料のオンラインツールやリソースを活用することで,費用をかけずに家系図を作成までいけるでしょう。

ただし,戸籍を取り寄せるには郵送代や戸籍発行代がかかることに注意が必要です。 また,ご自身で遠方の埋葬地やゆかりの地を訪ねて調査する場合は交通費もかかりますので,一定の支出が発生するのは覚悟しておきましょう

 

・楽しさと発見

調査の過程で,自分自身で新たな事実を発見する喜びがあります。 家族の歴史を掘り下げていく中で,驚きの連続が待っているかもしれません。

現に,この記事を書いている執筆者も5代遡って家系図を作成したことがあります。 実はそこで初めて曾祖父と曾祖母のフルネームを知りました。 さらにそれよりも上の世代に,たまたま自分とほぼ同じ名前の方を発見したりと,意外と面白い発見があります。

 

・自由度が高い

自分で作成する場合,どの範囲まで調べるか,どのような形式でまとめるかを自由に決めることができます。 プロに依頼すると,予算などの関係で調査範囲を絞ったりするケースもありますが,自分で作成する場合はフォーマットや書き方など,完全に自分の思い通りに進められます。

 

4.2. 自分で作成するデメリット

・時間がかかる

プロに依頼する場合に比べて,とにかく膨大な時間と労力を要します。 特に,古い記録や遠い親族の情報を調べる際には,アクセスするための手続きや,専門的な知識が必要となる場合もあります。

 

・情報の信頼性に限界がある

自分で調査する場合,得られる情報の信頼性がプロほど高くない可能性があります。誤った情報や未確認の仮説に基づいて家系図を作成してしまうリスクが伴います。

 

 

5. プロに依頼する際のチェックポイント

もしプロに家系図の作成を依頼することを決めた場合,いくつかのチェックポイントを確認しておくと良いでしょう。

5.1. 専門家の信頼性

依頼する専門家の信頼性や評判を確認しましょう。 口コミやレビュー,過去の実績などを参考に,信頼できる専門家を選びましょう。

 

5.2. 費用の見積もり

事前に費用の見積もりを依頼し,自分の予算に合っているか確認します。 また,追加料金が発生する可能性があるかどうかも確認しましょう。(ここすごく大事です!

 

5.3. 提供されるサービス内容

どの程度の範囲で調査が行われるのか,またどのような形で家系図が提供されるのかを確認しましょう。 デジタル形式や印刷形式など,希望する形式が提供されるかどうかも重要です。

 

 

6. まとめ

家系図をプロに依頼するか,自分で作成するかは,それぞれにメリットとデメリットがあります。 プロに依頼すれば,専門的な知識とリソースを活用し,信頼性の高い家系図を短期間で作成できますが,その分費用がかかります。 一方,自分で作成する場合は,費用を抑えられますが,時間と労力が必要です。

自分の家族のルーツに関心があり,しっかりとした家系図を残したいと考えるのであれば,プロに依頼することは良い選択肢となるでしょう。 しかし,費用やプライバシーの問題も考慮し,自分にとって最適な方法を選ぶことが大切です。

 

相続・終活サポート専門の行政書士である行政書士宮下法務事務所では,家系図作成のお仕事も受任しております。 専属のイラストレーターもいますので,お祝い品のオリジナル家系図作成も可能です。

是非お気軽にお問い合わせください。

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